円空上人は戦国乱世の名残りもようやく消えた江戸時代前期の仏師・修験僧(廻国僧)で、全国放浪の旅をしながら神仏像十二万体の造像を発願したと言われています。
円空の彫った彫刻は「円空彫り」と呼ばれ、その独特な作品の多くは木の割った跡を残し、荒削りで素朴な味わいがあります。
その彫刻は立木に彫り込んだ2m以上の大きなものから、小さなものでは約3.5cmほどまで幅広い大きさのものを彫り、北海道から九州まで多数が残されています。
若い頃、私が住む近所の八幡宮の木が倒れ、枝をもらいました。約350年の大木に畏敬の念を感じ、神仏を彫ろうと思い立ち、心惹かれていた円空の彫刻を再現し始めました。
彫り出すと止まらなくなり一日中何日も彫っていました。そのうち、自分なりの円空彫りが出来るようになり、いままでに何万体彫ったか分かりません。